わたしが好きなb-flowerアルバムベスト8


b-flowerの結成31年目にして初のベスト盤『the very best of b-flower songs written between 1987 and a998』がリリースされて約2週間ちょっと。毎日毎日、時間さえあれば聴き続けつつ、旧作をあらためて聞きなおしている日々が続いています。


そんな中、先日teenage fanclubのノーマン・ブレイクが自ら選ぶteenage fanclubのアルバムベスト10という記事が公開されていて興味深く読んだこともあったので、急遽自分が好きなb-flowerアルバムベスト8を書きました(ざっくりすぎるので、後に追記する可能性あり)。


********************


1位『Grocery Andromeda(1995)』

自分の中でのb-flowerアルバム心のベスト10第1位は「Grocery〜」が不動の位置にある。プロデューサーやミックスエンジニアが複数いたり、激しい楽曲と静かな楽曲との落差があったりで、アルバムの統一感でいうと、彼らの中でもっといいアルバムはあると思う。けれど、そういう不安定さも含めた上で、音の表層的な面でいわゆるネオアコ的なものからの脱却であったり、ナイーヴさと表裏一体な攻撃性が前面に出始めた「変わらないために変わり続ける」マインドが作品全体に憑依していて、聴いていて、とにかくグッとクる。ジャケットデザインや使われているフォトなどヴィジュアル面も大好きなテイストです。

□特に思い入れのある曲3曲□ North Marine Drive / 海に住みたい / #1995


2『b-flower(1998)』

まだb-flowerを一度も聴いたことのない人に、勧めるアルバムだったらこのアルバム(あ、このアルバムはapple musicで聴けますよ)。ナイーヴなネオアコからアグレッシブなロックまで音楽ジャンルを渡り歩いた試行錯誤の末に、音の面でも歌詞の世界観でも彼らが到達したひとつの"強さ"が現れている。アルバムタイトルにバンド名がつけられているのに正にふさわしいアルバムじゃないかな。こんな秀逸な作品がメジャーでのラストアルバムになったことが、すごくとても悲しかった記憶がある。しかも、収録曲最後では"僕は僕のままで 孤高のままで行くんだよ"なんて歌ってるしさあ。

□特に思い入れのある曲3曲□ 蛍 / 永遠の59秒目 / 地の果てより発つ


3位『ムクドリの眼をした少年(1992)』

メジャーデビューして洗練化される前のインディ期特有のバンドサウンドの濃さが、僕の耳と心を打つ。b-flowerというバンド、そして八野英史という音楽家の才能の「確かさ」を実感した一枚。スターターソング"太陽を待ちながら"は、当時コーネリアス"太陽は僕の敵"と並んで、自分の心の支えになっていたな。ネオアコ〜渋谷系が注目を浴びカラフルな華やかさを魅せていくのに対峙するかのような、クラシックなジャケットデザインも良い。でもこのクラシカルなデザインは今もなお、色褪せないね。

□特に思い入れのある曲3曲□ Bye Bye Canary Bird / 冬の最後の夜/ 太陽を待ちながら


4位『World's End Laundry 〜 メルカトルのための11行詩(1993)』

当時、遊佐未森なども聴いていたこともあって、外間隆史氏のプロデュースワークであることに嬉々として、ワクワクしながらパッケージの封を開けた記憶が今も残っている。グラフィック面からサウンド面まで、前作からがらりと変わってメジャー感たっぷりな作品。一方で、ロック感というか荒々しさが減退しまったのは惜しいかな、とも思う。まるで北欧の映画のような「舟」のMVがとにかく大好きで観まくっていたな。

□特に思い入れのある曲3曲□ 舟 / 天使のチェインソー / リラの咲く日々


5位『CLOCKWISE(1996)』

60年代UKロック〜ブリットポップの影響下にあるアレンジが全開過ぎて、リリース当初は好きな曲は多かったのにあまりアルバム一枚通しては聴かなかった作品。一聴した時「うわあ、ブーラドリーズ!」とか「これはシャーランタンズでは...」「ブラー節全開じゃないかー」とかそういった印象が先行しちゃったんだろうな。あとアルバムテーマの一つが"郊外"で、ずっと都心近くに住んでいた自分には正直つかみあぐねてたっていうのもある。で、逆に、b-flowerが冬眠中に聴き直している間によく聴いていたアルバムでもあって、自分の中ではとにかく不思議なアルバム。自分が郊外に移り住むようになって歌詞があらためて興味深かったから、何度も聴き直していたのかな。

□特に思い入れのある曲3曲□ Jet Jet Coaster / グレープフルーツ・スプーン・マン / 内緒にしよう


6位『PAINT MY SOUL(1999)』

メジャー離脱後に届けられたプライベート感たっぷりな作品。演奏や歌詞の端々から受け取れる自棄っぱち感や悲しさが、聴いていて辛かったときがある。60'sバブルガムポップからソフトロック的なアルバムトーンだったこともあって、個人的にはb-flowerというより、別ユニットHumming Toadに近い位置づけで聴いていたかも。それと、毎度のことながらカバーが秀逸。にやりとしながらなんどもなんどもリピートしていたな。

□特に思い入れのある曲3曲□ 1965年のクリスマスタイム / 2001 XYLITOL GUM COMPANY / THERE'S A KIND OF HUSH


7位『Clover Chronicles 1(1994)』

インディ期の楽曲を中心に再録されたベスト盤的作品。だけど7曲というどっちつかずなボリュームなのと、楽曲が再アレンジにより洗練されたこともあって、あまり一枚通して聴いていないかも。ただ、ジョニ・ミッチェル「both Sides,Now」のバーズ風カバーと訳詞が素晴らしすぎて、それだけでも自分にとってこのアルバムの価値は十二分にあると言えるのだ。

□特に思い入れのある曲3曲□ 誕生日 / both Sides,Now / サトウカエデの下で


8位『ペニーアーケードの年(1991)』

気づいたら、b-flowerに出会った1stアルバムが一番最後になっていた(苦笑)。このアルバムがあったからこそ、この後ずっとb-flowerを聴き続けていくことになる貴重な作品なんだけどね。多分、長い月日が流れてきた中で、このアルバムが放っているナイーヴさを突き詰め切った世界観にフィットできる箇所と、そうでないところが出てきたってことなんだろう。思えば長い月日が経ったものだ。そして、31年経って、彼らのベスト盤がリリースされるなんて。人生は思っていたより捨てたもんじゃないね。

□特に思い入れのある曲3曲□ Dear,1984年の僕 / ペニーアーケードの年/ そこは君の場所ではない


********************

そういえば過去に、去年ムクドリの会で行った「あなたが選ぶb-flowerベストソング 〜勝手にランキング」に合わせて、「わたしが選ぶb-flowerベストソング 〜勝手にランキング」という投稿もupしているので、興味がある方はそちらもぜひ読んでみてくださいね。

the sound of bricolage

サイト管理人・アケシン(UK/US indie・渋谷系 DJ)。 このブログでは、新しくリリースされる作品や、自分が日々聴いている音楽、過去に自分がDJ時に回した音源などをピックアップしていきます。 紹介するからには、その作品をたくさんの方に実際に耳にしてもらいたいので、apple musicなどでチェックできる作品を中心にチョイスしていきます。

0コメント

  • 1000 / 1000